・本稿の内容
基本的なNKモデルの途中計算メモです。
家計の効用最大化問題を解き、各財の需要関数を導出する部分です。
具体的にはGali(2015)のP53の(1)式の導出です。*1
導出過程の一部はP83のAPPENDIXにありますが、
省略されている部分が多いのでメモしておきます。
本稿の作成に当たってはDrago Bergholt氏のレクチャーノートを
大いに参考にさせていただきました<(_ _)>
・本文
家計の効用関数を
とする。
家計の効用最大化問題は
と書ける。
ラグランジュ乗数をとして、ラグランジアンは以下のように書ける。
効用最大化の一階条件は
である。*2
②式はすべての財で成り立つから、財に関しても②式を適用できる。
②式と③式より、
と書ける。*3
④式を制約条件に代入し、に関して解くと
である。
⑤式を①式に代入し、で評価すると、
である。
のときのを(つまり、は一般物価)と書くことにすると
⑥式より、
である。
⑤式に⑦式を代入すると、
である。*4
⑧式を①式に代入すると、
である。
⑨式を⑧式に代入すると、
である。*5
・参考文献
蓮見亮(2020)『動学マクロ経済学へのいざない』日本評論社
Jordi Gali (2015)『Monetary Policy, Inflation, and the Business Cycle』Princeton University Press
・参考サイト
Drago Bergholt氏のレクチャーノート:『The Basic New Keynesian Model』
bergholt.weebly.com