・本稿の内容
2変量正規分布についての基本事項をメモします。
・本文
Ⅰ: 2変量正規分布の同時確率密度関数
確率変数ベクトルが平均ベクトル,分散共分散行列の2変量正規分布に従うとき、
と書く。
と書ける。②式をベクトル表記、行列表記を用いずに、スカラー表記で書き換えてみる。(※はの行列式。)
ここで
である。とに注意してさらに書き直すと
と書ける。④式を利用して、を求める。
⑤式を用いて、②式のを計算する。
④式と⑥式を用いて②式を書き直すと②式のスカラー表記版の式が得られる。
Ⅱ: 2変量正規分布の周辺確率密度関数
の周辺確率密度関数を求める。⑦式を用いるとの周辺確率密度関数は
と書ける。ここで⑧式右辺ののなかに注目し、式変形を行う。
⑨式を⑧式に当てはめ、⑧式ののの部分をの外側に出し、式を整理する。
⑩式の積分はに従う確率変数の確率密度関数をからまでを積分しているから、積分の値はである。
よって
となる。同様にしても
となる。
Ⅲ: 2変量正規分布の条件付き期待値、分散
の条件付き期待値,条件付き分散を求める。
の条件付き分布は
である。本稿では⑦式が分子、⑫式が分母に対応する。⑦式と⑫式を用いて計算を進める。
⑬式の形より、条件付き期待値と条件付き分散は
となる。